叢書vol.2『アニエス・ヴァルダ 愛と記憶のシネアスト』刊行、web通販スタート

neoneo編集室が刊行する「ドキュメンタリー叢書」の第2弾。『アニエス・ヴァルダ 愛と記憶のシネアスト』が刊行されました。下記のフォームから、送料無料、合計2000円でneoneo編集室より、web通販で直接ご購入いた

【連載】ドキュメンタリストの眼 vol.26 北村皆雄(前編)『チロンヌカムイ イオマンテ』インタビュー text 金子遊

 1986年、北海道屈斜路湖を臨む美幌峠で、大正時代から75年ぶりに「キタキツネのイオマンテ」が行われた。わが子と同じように育てたキタキツネを、神の国へ送り返す儀礼だ。祭祀を司るのは、明治44年生まれの日川善次郎エカシ(

【Review】ZAPPAが教えてくれたこと――『ZAPPA』 text 澤山恵次

 ロック界の鬼才と呼ばれ、独特な風貌から繰り出されるギタープレイに特徴があり、現代音楽の作曲家でもあったフランク・ザッパ。彼の作品を最初に聴いたのは、私が大学生の時になる。京都のライブハウス拾得でバンドの演奏をした際に、

【Review】スパークスのさらなる飛躍に期待を込めて――『スパークス・ブラザーズ』 text 澤山恵次

エドガー・ライトによって巧みに構成された、ロック&ポップ・バンド「スパークス」のクロニクル――ロン・メイルとラッセル・メイルの兄弟の50年を追った『スパークス・ブラザーズ』は、今後の彼らの活躍のプロローグに過ぎなかった。

【Book Review】記録魔・小川紳介の素顔――『幻の小川紳介ノート~1990年トリノ映画祭訪問記と最後の小川プロダクション』 text 中野理惠

 1990年、世界は広く、ヨーロッパは憧れの地だった。  本書は、編者にして発行元である大阪の映画館シネ・ヌーヴォのオーナーである景山理さんが、30年前に小川監督から託された膨大な原稿をもとに編集した一冊であり、内容は、

【Review】身体、環境、言語が生まれるところ――『森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民』 text 長本かな海

「インドシナ最後の狩猟民」という崇高な副題とは裏腹に、このドキュメンタリーを見終わった後、いつまでたっても印象に残っているのは森の中でひたすらゴロゴロダラダラと過ごすムラブリの姿だ。筋骨隆々、果敢に弓矢で野生動物に挑む先

【鼎談】原將人×原まおり×金子遊 『焼け跡クロニクル』から探るもうひとつの“クロニクル”

2018年夏、不慮の火事で自宅が全焼し、50年にわたる映画人生をかけたオリジナルフィルム、脚本、創作メモ、映画機材を失った原將人監督。 しかし原監督は、火事の痛手を創作への力に変え、新作『焼け跡クロニクル』で映画の舞台へ

【自作を語る】天才映画詩人の光と影を描く『映画になった男』 text 金子遊

 大学に入ったばかりの頃、僕はいつも雑誌「ぴあ」のオフシアター欄をチェックして、アヴァンギャルド映画や実験映画ばかりを観ていた。あるとき、渋谷で伝説的な『初国知所之天皇』(73)が上映されることを知り、渋谷の会場へ観にい

【Book Review】本を介した、未知なる旅へのいざない――『ポルトガル、西の果てまで』 text 上村渉

 福間恵子さんの『ポルトガル、西の果てまで』を知ったのは、吉祥寺の書店「百年」を通してだった。売り場を訪れた彼女と店主が雑談をしていた際、案外“ポルトガル好き”は多いという話題になり、学生時代から「ポルトガル文化センター

【連載】ワカキコースケのDIG!聴くメンタリー 第34回 『栄光の11番 村山実』

村山実は阪神の大エースだった。プロ野球史上に残る長島とのライバル対決など、気迫のピッチャー人生を記録した、引退記念レコード 背番号11番は永久欠番 みなさん、いかがお過ごしでしょうか。廃盤アナログレコードの「その他」ジャ

【批評ワークショップReview】映像を観ること、聴くこと、考えること―― 『#まなざしのかたち』 text モイ服部

2021年12月に開催した第4回東京ドキュメンタリー映画祭では、連動企画として「批評ワークショップ」を行った。基礎講義ののち、長編コンペティション作品、中・短編コンペティション作品、人類学・民族映像部門コンペティション作

【批評ワークショップReview】アレッポの香り、メイド・イン・ターキー 『故郷とせっけん』 text 井河澤智子

2021年12月に開催した第4回東京ドキュメンタリー映画祭では、連動企画として「批評ワークショップ」を行った。基礎講義ののち、長編コンペティション作品、中・短編コンペティション作品、人類学・民族映像部門コンペティション作

【Review】『ベニスに死す』を向こうに見つめて――『世界で一番美しい少年』 text 吉田晴妃

稀代の美少年 2012年ごろのことだったと思う。絵を描く友人が、ものすごい美少年の画像をネットで見つけたのだと見せてくれた。ビョルン・アンドレセンといって、『ベニスに死す』という古い映画で主人公のおじさんにただただ追い回

【文学と記録⑨】太宰治と「隠沼」〜後編:『春の枯葉』〜 text 中里勇太

 おそらく意図したことではないだろうが、「宿命とでもいうべきもの」の一端が、深浦の町で言及されているように思う。次の一文は、深浦の町で太宰がみた光景であり、作中でもっとも詩的な一文であると筆者は考える。 「漁師の家の庭に

【連載】LA・ドキュメンタリー映画紀行〈4〉 アーカイヴとキュレーションの取り結ぶ有機的な関係性——パシフィック・フィルム・アーカイヴでの上映企画を通して

バークレー美術館&パシフィック・フィルム・アーカイヴ(HPより)  この連載ではこれまでに、パンデミック下の映画制作や映画研究者のコミュニティという視点から、ロサンゼルスでの生活で出会う人々やものたちを通じて映画文化の「

【Review】ほのかに育つ意思――『帆花』text 堤拓哉

 白い湯気が立ち昇る熱々の飲み物が入ったカップのように、淡くて温かいものを感じさせるドキュメンタリー映画だ。タイトルの「帆花」という名の女の子は、自宅のベッドに仰向けで横たわり、人工呼吸器を装着している。か細い手足は自力

【文学と記録⑨】太宰治と「隠沼」〜前編:『津軽』〜 text 中里勇太

 戦時中の一九四四年、太宰治は『津軽』(*)という小説を書いている。  津軽半島の中ほどにある金木で生まれた太宰は、上京までのあいだに、叔母の家があった五所川原、中学時代を過ごした青森、高校時代を過ごした弘前といった町に

【連載】ウディ・アレンの逆説 ポスト・トゥルース時代のスキャンダル⑤ text 大内啓輔

ウディ・アレンと運命論 転換点としての『マッチポイント』 ウディ・アレンのフィルモグラフィーの分水嶺となる作品とは何か。商業的な成功と、作家としての批評的な評価という点において、第一に名前が上がるのは『アニー・ホール』(

【自作を語る】あなたを揺さぶるブラジルのストリート 『街は誰のもの?』 text 阿部航太(本作監督)

2018年10月1日、僕はブラジルはサンパウロに到着した。季節は春。インターネットの情報から、ブラジルがいかに危険な場所か、嫌になるほど目にしていたので体は緊張で強張っている。日が暮れかかったころに到着した中心街には「悪

【東京ドキュメンタリー映画祭特別Review】“困窮邦人”のなれのはて~歯のない男の悲歌《エレジー》~ 『ベイウォーク』 text 松崎まこと

 昨年は、「東京ドキュメンタリー映画祭2020」の審査に関わり、短編・長編問わず、日本のドキュメンタリー作品数十本をモニターした。その中の複数の作品で、思わずギョッとした瞬間がある。  “歯のない者”。……その登場がいつ

【Review】市庁舎の外――フレデリック・ワイズマン『ボストン市庁舎』 text 原田麻衣

 ボストンの風景から市庁舎の外観のショット、そして市庁舎のなかへ。多くのワイズマン作品がそうであるように、この作品もまた主題となる「建物」を取り巻くショットから始まる。そしてたいてい、その後に続くのは建物のなかで起きる出

【東京ドキュメンタリー映画祭特別Review】奇跡の出会いが解き明かす「混血児」と生き別れた母の絆――『Yokosuka 1953』 text 井上健一

 「いろいろな困難があったけど、ドラッグにもお酒にも溺れずに、自分を大切にして生きてきました」  66年ぶりに訪れた故郷・横須賀で自らの半生を涙ながらに振り返った後、こう語るバーバラ・マウントキャッスル(日本名:木川洋子

【Review】喪失と再生の先に――『ドライブ・マイ・カー』 text 若林良

 濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が公開されている。村上春樹の短編小説集『女のいない男たち』(文春文庫)に収録された同名の短編小説を原作とし、6月に行われたカンヌ国際映画祭では脚本賞をはじめ、計4つの賞を受賞した。